数学ノートは恋の味

　瞬く間に彼と友人になった。けれど、その仲良くなるスピードと同じくらい、彼の周りにも人が集まるようになった。彼はたくさんの交友関係を築きながらも、千晴にも積極的に声をかけてくれた。千晴が人見知りで、なかなかクラスメイトと打ち解けられないことを、察していたのかもしれない。森田を通じてならば、千晴も他のクラスメイトと喋ることができ、そうして少しずつ、千晴もクラスに馴染めるようになった。