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坊は寂しそうだった。 それは、私の見間違いで実は呆れているのかもしれない。 いつもそうだ。 そして、坊は諦めが早いのだ。 今、私が坊を追ったところで、奴は顰めっ面をするのだ。 だから、私は追わない。 そして、私は坊のことをこの世で一番知っていて、この世で一番知らない気がする。 アイツはそういう気難しくてめんどくさい、愛すべき私のたった一人の弟なのだから。
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