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「昔さ、雑木林でよく遊んだじゃん?よく喧嘩もしたしさ〜実はあそこ、全部切り倒されて、住宅地になるらしい。街が発展するのはいいけど、思い出がなくなるのは……辛い、よな」
話していくうちに視線が下へ下へと下がっていく。
兄は昔のことを覚えていない。昔から知っている、俺が唯一兄に勝るところ。今では、寂しいと感じるところ。
「本当に、昔はよくあそこで遊んだよな」
声が震える。
手が震える。
「……なあ、覚えてる?」
ガバッと顔を上げて兄の顔を見る。
勿論、兄は何も答えない。
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