第3話 猫と人形

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「ど、どうしよう……っ」  さっきまで熱かった体が、一気に冷えた気がした。  冷や汗がでて、心臓もバクバクとうるさい。だけど、やっと見つけたのに、ここで見失うわけにはいかない。  俺は、ごくりと息を飲むと、お化け屋敷の前に立った。  ──ギィ……  門を開ければ、()びた鉄の音がした。なんだか、今から肝試しが始めるみたいな不気味な雰囲気。  そういえば、中に入ったら異臭(いしゅう)がしたとか言ってたけど、死体が埋まってるような臭いってこと?  そんな臭い嗅いだことないから、想像もできないけど、だぶん、すっごく嫌な匂いなんだろうな。 (……ていうか、これって不法侵入になるんじゃ?)  庭をぬけて、玄関の前に立った俺は、ふと思った。  昔は、お金持ちが住んでたんだろうなって、言われるほどの立派すぎる玄関。  だけど、いくら誰も住んでいないからって、勝手に入るのは良くない気もして、ぐるぐる考えたけど、やっぱりミーをこのままにも出来ない。 (ごめんなさい! ミーをみつけたら、すぐに出ていきます! だから、怒らないでください! お化けも出てこないでください!)  玄関前で、パン!──と、神社で神様にお願いするみたいに手を合わせると、俺は意を決して、ドアノブに手をかけた。  ──ガチャ。 (あ……開いてる)
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