2.嘘つき

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2.嘘つき

 村のはずれに性根の悪い双子が住んでいた。二人は根っからの嘘つきで、人をからかう事だけを生きがいにしていた。  ある日、彼らの家の前を二人の旅人が通りかかった。ひとりは弓で獲物を仕留めるたくましい猟師、もうひとりは羊の毛皮を着た射手(いて)の召使いの男だった。 「「射手さん。羊の男さん。永遠の生命に興味はないかい?」」 「永遠の命だって? まことの話か?」 「「嘘じゃないよ!」」  双子のひとりが射手に教えた。 「この先の川にいる、黄金の山女魚(ヤマメ)を生け捕りにしておいで!」  もうひとりが羊の男に教えた。 「この先のほこらに住んでいる、乙女の心臓を獲っておいで!」 「「その二つを持ってきたら、僕らが秘密の方法で料理してあげる! 食べれば永遠の命を得られるよ」」  話はまったくのデタラメだった。だが男たちは双子の話を簡単に信じた。  射手は魚を、羊の男は乙女の心臓を。二人はそれぞれの道を行った。
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