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私は、福沢君にこう言ってしまった。
「水川ちゃんが、福沢君のことめっちゃかっこいいって言ってたよ!」
と。そして、福沢君は、続けた。
「まじ?水川キモ、うわー。」
これは、福沢君にとって冗談で言った言葉だった。だけど、水川ちゃんにとっては違った。
私の一言のせいで、たとえ冗談だとしても福沢君に、
「キモい」
と、言われてしまったのである。
福沢君と小学生から友達だった私は、福沢君の冗談と本音が見分けられる。しかし、中学生になってから福沢君と出会った水川ちゃんは、違ったのだろう。あの、凛とした目でそう言われたのだから。
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