一章 出会い

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「えーと、えーと」 ガリマーは所長から目線をそらす。 自分でも悪いと感じてたんだな。 所長が説教をしようとした時だった。 「陽菜乃! それにみんなも。もう来たんだね」 白いもふもふの毛並みのドラゴンが現れた。 そして勢いよく陽菜乃に抱きつく。 陽菜乃のパートナーなんだなと思う。 「ルクス。そっちもガリマーの捜索に出かけてたんだって?」 先輩が聞くと白いドラゴンは刻りと頷く。 「本当はゆっくり過ごす予定だったのに。何してくれたんだよ、ガリマー」 「ご、ごめん……」 「それはさておき。所長、竜樹に」 「ああ、もちろんだ。WDに入る時に支給される物資だよ」 所長は自分の机からスマホらしき端末とイヤホンみたいなのを取り出した。 「まずはこの端末からだ。これは主に日常の連絡用に使う。高校生だからスマホは持っているだろうけどこっちはWDの秘密情報を調べたりすることも出来る」 陽菜乃と先輩はポケットから自身の端末を取り出す。 陽菜乃は白色、先輩は黄色、そして俺の前に出されたのは赤色だった。 「で、次にイヤホン。さっきの端末に繋げてもいいがよく使うのは任務中が多い。いちいち端末で連絡するのは手間だからね」 所長は満足した顔で俺にその二つを渡す。 「これから共に頑張ろう、上城竜樹くん」 「はい」
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