一章 出会い

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「は?」 言っていることが意味不明だ。 運命とか急にそんなことを言われても困る。 なにより、ガリマーは父さんのパートナーだったじゃないか。 心の中で論争が巻き起こる。 「先輩、急に言われるのはやはり混乱を招くようです」 「だよね……でもストレートに言うのが一番だと思うんだけどな」 もっと分かりやすい表現は無いのか、と先輩は頭を悩ませる。 「確かに俺は直斗のパートナーだった。でもな、上城直斗はもうこの世界にいない。パートナードラゴンは新たなパートナーを探さなければならない。本来は……記憶をリセットさせて」 横から口を出したガリマーはやけに寂しそうだった。 あんな姿は葬式ぐらいでしか見なかった。 記憶をリセットさせる、きっとそれが嫌でガリマーは逃げ出し高校へやってきたのだ。 「……楽しかったんだな、上城家は。そして、もう一度暮らしたい」 「!?」 自分の気持ちが俺に読まれたことに驚くガリマー。 だがその答えは直ぐに決まった。 決まっていたと言うべきなのかもしれない。 「楽しかったんだ。三人の中で暮らすことが」 「やっと本音が出たようだな」 その様子をただじっと見ていたサウンがほっとしたように言う。 「……上城くん。今のことを踏まえて考えて欲しいの」 「僕たち、WDに協力してくれないかな」 「……」 数秒間、俺は黙ってしまった。 脳内で父さんの姿が思い浮かぶ。 俺はガリマーにピッタリのパートナーになれるのか、少し不安な部分もある。 でも父さんのような人になりたい。 「もちろんです」 再び口を開いたときにはそう答えていた。
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