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「そうですか……」
竜樹の母、愛は電話の受話器をとっていた。
『竜樹くんもうちに入ることになるなんて予想していなかったし、ごめんなさい、愛さん』
「そんなことはないです。息子を頼みます」
愛はそう言い電話を切った。
「あなた、お願い。竜樹を守ってあげて」
遺影の中の直斗は優しく微笑んでいた。
「それじゃあ、早速で悪いんだけど、東京市部に来てくれないかな。もちろん、君のお母さんには連絡してある」
「大丈夫ですよ、この後予定もないし」
そして俺たちは歩き出す。
本来ならドラゴンを使ってひとっ飛び……でも良いらしいが初心者は危険と言うことで歩いていくことになった。
「そういや、白露さんのパートナードラゴンもいるのか?」
「陽菜乃でいいよ、白露陽菜乃。一応私にもいるよ。今は東京市部にお留守番して貰っているけどね」
その後は世間話とかしながらだった。
数十分歩いたところのビルの前で立ち止まった。
「ここがWD東京市部のビル。さぁ、中に入ろうか、所長が待ってる」
エントランスを抜けた先には大きなモニターがあった。
「あ、やっと来た。ご苦労だったね。涼、陽菜乃。やぁ、竜樹くん。僕はここの所長をしている水島康生だ。君が来るのを待っていたよ」
所長は俺に大きな手を差し出す。
身長は結構高い。
所長の手を取り握手する。
「そしてガリマー……急に逃げ出したと思ったらしれっと戻ってきて。どんな気持ちだい?」
優しい顔ながらも声はかなり威圧がある。
ガリマーは冷や汗をかいていた。
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