初めて

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「目標確認。一般人の状況は?」 先輩が耳につけたイヤホンで様子を聞く。 『付近の一般人はみんな避難させたから大丈夫よ。でもドラゴンはかなりの興奮状態だから気をつけて』 イヤホンの通信を切り、先輩は俺と陽菜乃の方を見てこくりと頷く。 任務について聞かされたときに言われた作戦。 ダメージを与えて先輩のタイミングで体の縮小の効果がある薬を投げ込む。 「ガリマー、頼む!」 「おう!」 ガリマーは俺を乗せたまま、暴れているドラゴンの真上で羽ばたく。 「おらっ!」 ガリマーは口から炎を吹き出す。 「ルクス、お願い!」 「任せて……はぁ!」 ルクスは手から光の玉を出しドラゴンにぶつける。 「ギシャァア!」 「効いているのか?」 「多分な。だがあの様子……っ!」 「うわっ!」 ドラゴンは暴れ狂い突風を起こす。 ガリマーが避けるためにすごいスピードで動くから俺は落ちそうになった。 「竜樹、大丈夫か?」 「なんとか」 「バランスを崩すのはとても危険だ」 「油断は禁物。気をつけていこう」 先輩とサウンが近くに寄り、俺を励ましてくれる。 「はい!」 「っ……なんという威力。陽菜乃、大丈夫?」 陽菜乃はルクスの体につかまっているのがギリギリようだ。 「うん……でもあの子、苦しそう」
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