17人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんとか任務を完了したようね」
歌がふぅ、とため息をつく。
「あの三人、なかなかのコンビネーションです。初めてとは思えない……所長、どうかされました?」
所長は考え事をするようにじっとモニターを見ていた。
「所長!」
「あ、ごめん。ただ……ガリマーの表情が緩やかだと思ったんだ。あんな表情を見せたのは直斗との任務以来だよ」
「確かに直斗さんが亡くなってからはガリマーは反抗期でしたもんね。竜樹とはなにか同じような雰囲気が感じるのかしら」
それから三人は直斗との思い出を語り始めた。
「ただいま帰りました」
「お帰りなさい。お疲れ様」
「抜群のコンビネーションだったじゃない!」
歌さんと舞さんからそれぞれ賞賛コメントが送られる。
「竜樹、ドラゴンをこっちに」
所長が近くにあるボタンを押すと壁から保育器のようなものが出てきた。
「この中にドラゴンを」
「あ、はい」
俺は手の中にいるドラゴンをその中へ優しく入れた。
ピー、ピーと弱々しい声で鳴いていた。
「あのまま死んだりしないですよね?」
「大丈夫だ。暴走で疲れているだけだろうし、少し休めば元気になるさ……竜樹、お前との任務直斗のときと同じような達成感があった。これからよろしくな!」
ガリマーがニコッと笑う。
俺も同じような表情を送り返した。
「いいパートナーになりそうだね、二人は」
「ルクス。私達も負けてはいられないからね」
「当たり前だよ!」
ルクスは陽菜乃の方を見て自信満々に言った。
最初のコメントを投稿しよう!