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「先輩!」
俺は後ろから先輩に近づいた。
「竜樹。陽菜乃はどうだった?」
「今、舞さんに様子を見てもらってます。俺は加勢に来ました」
「それはありがとう。あのドラゴン、かなり強くてさ、スピットもサウンもボロボロだよ」
「攻撃が効いたという実感が湧かないんだ。向こうは感情がないのか痛いとかそんな素振りは全く見せないし」
サウンは困った表情で言う。
「ガリマー、今までで一番の強敵だな」
「ああ。だからこそ、俺はやる気が湧くぞ」
ガリマーは大きな炎を吐き出した。
しかし、クリスタルのような鱗に通じていない。
「硬すぎるな」
「そうでしょう、私の最高傑作なのですから」
御影さんは自慢げに言う。
「だが、本物には勝てぬだろうな」
後ろから声がして振り返ると四体のドラゴンがそこにいた。
「黒竜、青竜、赤竜、黄竜?」
「彼らに少し力を貸してもらっている。人格は俺たち自身だ」
ノアの声だと思うと安心する。
「戦力が増えたからといってネオ・ドラゴンには勝てませんよ!」
「それはやってみねーと分からねーよ!」
蒼井が水の咆哮を放つ。
するとネオ・ドラゴンは押されているように見えた。
「な、なんですって」
「続け!」
黄竜は突進していき、赤竜はネオ・ドラゴンの体に噛み付いた。
「た、立ちなさい、ネオ・ドラゴン!」
御影さんは隠し持っていたボタンを押した。
すると、ネオ・ドラゴンの体の色が黒くなり、瞳の色も赤く染まった。
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