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目を開けると雪景色が広がっていた。
「来たのか」
目の前にはあの時と同じように白竜がいた。
「すまなかった」
白竜が最初に発した言葉はそれだった。
「気にしてないよ」
「辛そうだった。私のせいだろう」
「本音はね。でも私にはみんながいる。そのみんなが今、危険に晒されているの。お願い、力を貸して」
私は思いをありのままに伝える。
「それが私が願うこと」
「分かった」
白竜は瞳を閉じた。
「どうすればいいんだ」
ガリマーが炎を吐き出してもネオ・ドラゴンには効いていない。
逆に咆哮を放たれ、返り討ちに合う。
「ギャウギャ!」
するとさっきよりも大きな咆哮を先輩とサウンに向かって放つ。
「しまった!」
ダメかもしれない、そう思った時聞き覚えのない声が聞こえた。
「四竜が揃っておるのに押されるとは」
サウンの目の前に白いドラゴンと陽菜乃の姿があった。
「あれは分離か」
「五竜が集まったとしても我々には勝てませんよ」
御影さんは余裕そうだった。
「それはどうか分からないよ」
もっと余裕そうな顔をしてきたのはルクスだ。
下を見れば白露博士が手を振っている。
薬が完成したんだ。
「竜樹くん!」
博士が俺に薬を投げてくる。
「頼んだよ」
「私とルクス、そして白竜で動きを止めるね」
「そんなもので!」
御影さんの怒りは頂点。
だが、これで終わるんだ。
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