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勢いで言ってしまったけど俺は本当にガリマーのパートナーになっていいのか。
寝る直前、ベッドに横になりながらそう思った。
夕食の前、ガリマーは分からないと言った。
隣で寝ているガリマーの寝顔はまるで幼い子供。
いつもどこでも子供みたいだ。
これまではあまりガリマーのことを考えてこなかった。
だからこそ不安になる。
俺はちゃんとパートナーとしてやって行けるのか。
ガリマーは父さんのパートナーだったんだ。
きっと比べるだろう。
そう考えていると寝るのを忘れてしまう。
「何時まで起きているつもりだよ」
ガリマーの目がパチリと開いていた。
「なんだ、起きてたんだ」
ガリマーはモゾモゾ動く。
「ぶつぶつ言っているのは聞こえているんだ。パートナーとしてちゃんとやっていけるかとかか俺には分からないって言ってるだろ。と、いうか完璧なパートナーなんてこの世にいねーぞ」
黄色の瞳は真剣だった。
「みんな中途半端。所長だって所長になりたての頃は直斗の方が相応しいと思っていた。それでも自分なりに頑張ってんだ」
「じゃあ、先輩や陽菜乃も……」
こくりと頷くガリマー。
「詳しいことは俺には分からないがきっとそうだろうな……だから、心配しなくていい。失敗して人は成長するんだろ? だが、WDに入ったらパートナーがいる。共に一歩を踏み出せるんだ」
「……」
「心配せずに今日はもう寝ろ。まだ子供だろ」
ガリマーには言われたくない。
都合がいい時に子供になり、大人になる。
パートナーになる、ということはパートナーであるドラゴンのこともちゃんと知らないといけない、そう思った。
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