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「竜樹、陽菜乃!」
昼休み、ちょうど弁当を食べようと思ったときだった。
教室のドアからひょっこりと先輩が顔を出した。
そんな姿が可愛いのかかっこいいのか女子からはキャーキャーという悲鳴の嵐。
「先輩、どうしたんですか?」
「ちょっと話したいことがあってね……時間空いているかい?」
「弁当、食べてないですけどいいですよ」
それを確認した先輩に連れられて俺たちは屋上に出た。
「この屋上、WDのためだけに開けてくれているんだ。秘密情報とか聞かれたら大変だろ?」
確かに辺りには誰にもいない。
「先輩、話したいことってなんですか?」
「あぁ……実はね、東京に知型のドラゴンが現れているんじゃないかって通達があってね」
「知型?」
「通常知能を持つのはWDのドラゴンだけだが、二割ほどに知能を兼ね備えたドラゴンが生まれる場合があるんだ」
隣からガリマーが説明してくれる。
「なるほど。その知型がどうしたんですか?」
「通常のドラゴンの暴走だったらいつも通りなんだけど、知型は暴走すると人間を操る可能性が出てくるんだ」
「まさか不可解な事が東京で起きている……そういう事だよね?」
ルクスが尋ねる言葉に先輩は頷く。
「だから二人も周りで変なことがあったら報告を、って所長から。話したいことはそれだけだからここで解散」
「失礼します」
俺はガリマーと共に屋上から去っていく。
「知型の暴走ってそんなにやばいのか?」
「まぁな。人間があやつり人形みたいになる。最悪命を落とす一般人が出てくる可能性だってあるんだ」
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