知型

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「分かった。そっちは見張りを継続して。僕の方から所長たちに連絡するよ」 携帯の通話を切ると先輩は横にいるサウンを見つめる。 「話してからあまり時間が経っていないがまさか身近にいるとは」 サウンはそう呟いた。 「岸田先生、体調でも悪いんですか?」 職員室でも顔をしかめる先生。 他の先生も心配そうにしている。 「少し頭が……まぁ、今日は仕事を早めに切り上げて病院に向かいます」 「絶対無理はしないでくださいね。倒れる方が迷惑ですから」 「知型の暴走……今回の場合は頭痛から始まり、やがて昏睡状態になってしまう……」 「所長、では三人の高校教師も?」 舞の言葉に所長はこくりと頷く。 「しかも様子を聞けば、相当やばいって。知型の場所が分かれば楽なんだけど。あいにく知型は厄介。歌、最初に被害が起きたのはどこだっけ?」 私、歌は所長の言葉に反応しモニターに地図を出す。 「横浜です。会社員の男性で家族の証言で数日前から頭痛がひどいと訴えていたようで」 そして次は関東全体の地図を出した。 「そこから東京や千葉、いや関東全体と言った方がいいでしょうね……急激に広がっています」 「今、WDに報告されているのは三十件。しかし、知型は調子に乗ってどんどん操る人間を増やしていきますから……早く対処しないといずれ大変な事になります……」 「分かってる。分かってるけど!」
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