知型

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「おいら、強い……お前、強い?」 「お前だろう? 関東の辺りで昏睡状態にさせる騒ぎを起こしているのは」 「うん、おいらだよ。凄いでしょ?」 ただニコニコしているドラゴン。 何を考えているのかは表情では分からない。 「はっきり言ってだな……迷惑なんだよ!」 ガリマーは小さな火炎をドラゴンにぶつける。 家々が並んでいるから下手に攻撃したら火事になってしまう。 「そんなのでおいら、やっつけれない!」 そう言うとドラゴンは気味が悪い音を発生させる。 「くそっ!」 耳を塞ぐガリマー。 「ガリマー!」 「ぐぬぬ……」 めちゃくちゃ苦しそうなのに俺は何も出来ない…… そう思っているときだった。 「サウン、今だ!」 「!?」 サウンがドラゴンに体当たりをして気味が悪い音は消えた。 「大丈夫かい、竜樹」 後ろから駆けつけてくる先輩の姿。 「先輩! 助かりました、ありがとうございます」 「後輩が無事でなにより。どうやら彼が事件の犯人らしいね」 「おいら、強い……一人増えたところで、負けない」 ドラゴンは完璧に戦闘態勢。 「どうやら彼はやる気みたいだ」 「あいつ、さっきのような気味が悪い音を発生させます……」 「なるほど。人間に対する操りはドラゴンに効かないはずだ。厄介なのはそれだけだな……サウン!」 先輩の合図を受けたサウンは空へ飛び出す。 それを追ってドラゴンも飛び立つ。 「ここは海が近くない。小さいまま戦った方がいい!」 「任せろ、指示は頼んだぞ!」 ガリマーも後を追っていった。
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