知型

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「竜樹、僕らも追いかけるよ!」 「あ、待ってくださいよ、先輩!」 戦っている三体をじっと見ていたら先輩が先に走り出していた。 「じっとしていても僕らは何も出来ないからね!」 「サウン! どうやってあいつを攻撃すればいい?」 ガリマーはサウンに近づき、尋ねる。 「ガリマーはなるべく小さな火炎をたくさん当てて。その隙に何とか僕が攻撃する」 「分かった。これでもくらいやがれ!」 ガリマーは小さな火炎をたくさん出す。 「こんなの、効かない」 しかしドラゴンは火炎を突っ切ってガリマーに近づく。 「っ……」 間一髪ガリマーは避けることに成功した。 「はぁ!」 「これも無駄」 サウンの超音波にも反応しない。 「結構苦戦を強いられているね……サウン、聞こえるかい?」 『聞こえるよ、涼。攻撃が当たらなくて、どうすれば良い?』 先輩は立ち止まり考え込む。 「空は広いからね」 「先輩! あの空き地を使うって手は?」 俺は空き地を指さして言った。 「そうだね……それが一番。サウン、ガリマー頼んだよ!」 「ガリマー! 空き地だ!」 「よく分からねぇけど……俺が誘導する! 着いて来やがれ!」 ガリマーは急降下して空き地を目指す。 後ろをちらりと見るとしっかりと着いてきている感じだった。 「おうおう。しっかりと着いてきて偉いじゃないか」 「おいら、偉い……」 「まぁお前は単純すぎるんだよ!」 ガリマーと知型のドラゴンの姿が大きくなってくる。 「竜樹!」 そして俺の目の前で上に旋回した。 「任せろ!」 もちろん知型のドラゴンは猛スピードで追っていたから止まれるはずもない。 そのまま俺の懐に突っ込む。 勢いが凄かったためそのまま仰向けになった。 「捕まえた!」
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