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「絶対嫌だっ!」
赤いドラゴンはサングラスをかけた男性に強くそう言った。
「そう言ってもだなぁ。規則は規則なんだよ……記憶リセットは仕方ないことなんだ」
優しくなだめようとするが無意味だ。
「俺は絶対記憶を消さないからな! ふん!」
そして赤いドラゴンは部屋から飛び出していった。
「あーあ、所長、何やってるんですか。ガリマー、逃げちゃいましたよ?」
パソコンの前で作業していたポニーテールの女性がくすくす笑う。
「うぅ……ガリマーの気持ちも分からなくもないが……」
「それよりも所長。ガリマー、追わなくていいんですか?」
次は長い髪をおろし、前髪は右に流してピンで止めた女性が言った。
「そうだ……涼と陽菜乃に連絡を」
「残念ですが、あの二人は入学式ですよ? あ、涼の方はサウンがいると思います。一応連絡しておきますね」
髪をおろした女性は素早くタイピングをしてその涼という人物に連絡した。
「はい、なるほど。でも、もうすぐこっちも入学式で……その後でいいですか?」
体育館裏で携帯端末を耳に当て連絡をする高校生が一人。
「ありがとうございます。見つけたらまた連絡します」
携帯端末の電源を切りほっとため息をつく。
「どうした? 涼」
そこにコウモリのような黄色いドラゴンがいた。
「サウン。ガリマーの奴が東京支部から逃げ出したらしいから入学式が終わったら捜索してくれって」
「なるほど」
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