赤い髪のスピードスター #井伊直政

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 昨夜、彼が居酒屋のアルバイトから帰宅するため自転車に乗っていると、酒に溺れた華が記憶をなくしたままベンチの上で転がっていたらしい。  ワンピースを着てヒールを片方履いて片方転がした状態の彼女は、焼酎缶をその辺に置き、足を開いた状態で爆睡していたのだとか。  あまりに衝撃的だった彼は関わるべきではないと判断して、一度はそのまま素通りした。 「でもさ、なんか若そうだし、このまま放っておいていいのかって思って引き返したの。」  しばらく自転車を走らせたはずなのに、引き返してもなお彼女はそのまま放置されていた。  その時の、助けた方がいいか友人と相談したメッセージのやり取りが彼の携帯に残っているらしく、華にそれを見せてくれた。男はどうやら井伊直政(いい なおまさ)というらしい。
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