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恥ずかしくなるほど、鮮明に状況説明がされてあるそのやり取りに、手が震える。文章で読んでいる限り、自分は完全ただの痴女だ。
「じゃあ私のワンピースは?返してよ!」
華が声をあげると直政は携帯を取り返し、画面をスライドさせた。そこにもちゃんとメッセージが残っている。
何度起こしても起きない華をずっと起こしているうちに、周りの目が気になってきた直政は、迷いに迷った末、一旦彼女を連れて帰ることにした。
何故なら起こしている最中、華が酔いすぎて嘔吐したから。先ほどまで介抱していた男が逃げて帰ったと思われそうで、段々放置しにくくなったらしい。
バイト帰りに華を抱え、自転車を押して帰る作業はなかなかの力仕事だった為、帰宅した時には直政は疲れ果てていた。
だが吐物が付いた服のままベッドに寝かせることもできず、渋々ワンピースだけを脱がし、それを水で軽く洗い、洗濯機に入れるだけ入れ、自分の寝る準備をして就寝。
「んで起きたら、あんたにぬいぐるみで殴られたと。散々だぜ。こんなんだったら、あそこに置いときゃ良かった。」
直政は水を飲むと既に止まった洗濯機から華のワンピースを取り出した。まだ乾いていないため干す作業が必要だが、汚れは落ちている。
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