第四章 僕が見ている世界

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第四章 僕が見ている世界

僕が見ている世界を君にも教えてあげる。 壁は物によって見え方が違う。 君で言うと、ガラスと曇りガラスは 光の通り方が違うから直ぐに分かるでしょ? 僕が見えている世界は 壁が鉄なのか、木なのか、コンクリートなのか 物がスケスケ具合で変わるんだ。 この世は全てガラスの世界。 全てがガラスか曇りガラスに見えるんだ。 木の壁なら眩しいくらい、スケスケのガラス。 僕にはX線は青色に見えるんだ。 木の壁は青系の光が通り抜けて見える。 その壁にスマホの電波が当たると黄色く見えるのさ。 地面の下からだって 紫色に見えるガンマ線や宇宙線が 眩しく照らされている。 鉄の壁やコンクリートの壁は厚さにもよるけど 透けてくる紫色の濃さで ガンマ線の通り方が違うからわかるよ。 君が見ている色は、僕には区別はつかないかな…。 視力が無いからじゃないよ。 君が赤だとか青だと言っても僕には 全て黄緑が少し薄いか薄くないかの違いにしか 見えないよ。 夜空も、結構眩しいよ。 人間が使う赤く見える電波で星が見えないくらい。 テレビ塔やスカイツリーも真っ赤だ。 少しは分かってもらえたかな? これが視力がない僕が見ている世界なんだ。
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