第ニ章 視力がある人には見えない世界

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第ニ章 視力がある人には見えない世界

そもそも視力ってなんだろう? 光を認識できる能力だ。 光源があり、その光が物に反射して 物の存在、質感、色、性質、距離を 認識出来る能力。 今の僕にとっては まるで魔法だ。 物に触る事なく 離れていても存在を詳しく分かるのだから。 かつて視力があった時は それが当たり前だった。 魔法だなんて思う事はなかった。 いつしか光とは何か 考えるようになった。 光。 光には2種類ある。 見える光と見えない光だ。 見える光は可視光線(かしこうせん)と呼ばれている。 見えない光は可視光線(見える光)の波長より 長かったり短かったりする。 なんだ…。 目が有ったって見えていない光が あるじゃないか。 誰も意識して生きていないだけだ。 視力はその可視光線(見える光)に当てはまる波長だけを 捉える能力とも言える。 視力なんてそれほどすごい能力でも ないじゃないか。とさえ思えてくる。 可視光線(見える光)より波長が長い 赤外線、マイクロ波、電波、 それに波長が短い ガンマ線、X線、紫外線は 視力が有ったって見えるわけじゃない。 もし、そんな光も見えたらどんな世界が 見えるのだろう…。 僕は今ある知識で 視力がなくても、その世界を見てやる。 視力がある人には見えない世界を 見てやるんだ。
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