いつもの朝

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いつもの朝

 ドタドタと慌てて階段をかけ降りる音とともに朝から大きなかすれ声が聞こえてきた。 「しまった、寝過ごしちゃった! みゆちゃん起きてる? ああもう、起きてるなら起こしてくれたらいいのにぃ! ごめんね、今日お弁当間に合わないわ。購買で何か食べてくれる?」 「大丈夫だよ。昨日の夜も遅かったんでしょ? もうちょっと寝てたら?」  ニュッとダイニングに顔を覗かせたパパに向かって私はコーヒーをすすりながらそう声をかける。 「ちょっと、みゆちゃん? 朝ごはんコーヒーだけなんてことはないでしょうね?朝はしっかり食べないと。過度なダイエットは美容にも悪いのよ!?」 「匂いでわかるでしょ? もうトースト食べたよ。パパの分も焼こうか?」 「あらっ、もう食べたのね。そうね、焼いておいてくれる? ちょっとママに朝の挨拶してくるから!」  パパはそういって小さな仏壇の前に大きな体をちっちゃく折り畳んで座ると両手を合わせる。 「ママ、おはよう。今日もあたしたちを見守っててね」
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