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細川家の事情
パパに初めての「ママ友」ができた。
パパの中身が乙女だってことは、ゆうきママにすっかりばれていた。
それでも日帰り取材のお土産なんかを持って、ゆうきママはよくうちにやって来た。
「こちらは最初から不器用な私をさらけ出してるんですから。みゆちゃんパパもどうぞ素のままで!」
と言われて、パパはいつものパパに戻った。
自然と私はゆうきくんとよく遊ぶようになった。色白で細くてサラサラの黒髪をしたゆうきくんはまるで女の子みたいだった。
ゆうきくんのうちにはパパがいなかった。
「繊細な人だったから、私の大雑把な性格に耐えられなくなって出てっちゃったの」
ゆうきママは笑ってそんなことを言っていた。
ゆうきくんはパパに似てるんだとぼんやり思った。彼はとっても繊細な男の子だったから。
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