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大爆発
ゆうきが来れなくなって3日目、朝登校すると、男子がニヤニヤしながら固まってこちらを見ていた。
やがてリーダー格の田村が口を開く。
「なぁ、篠田。お前んちの父ちゃんってオカマだよな」
田村は鬼の首を獲ったように、嬉々として声を張り上げた。
「俺昨日、塾行くときに見たぞ。化粧して派手なスカート履いたオカマがお前んちから出てきた。あれ、お前の父ちゃんだろ?」
男子の視線が一斉に私に集まる。
私の、次の反応を楽しんでいるんだ。
私は田村を睨み付けた。いつもなら無視して終わるけど、パパを侮辱されて私は完全に怒っていた。
ゆうきを学校に来れなくしておいて、次のおもちゃを見つけたかのように笑っているこいつらが許せなかった。
「だから何?常連さんに頼まれて急にお店開けなきゃいけないからって、急いで準備して家から仕事に行ったのが何か問題でも?」
私が堂々と言い返してくるとは思っていなかったであろう田村は、少し怯んだ。
「なんだよ、店って。オカマバーか?」
「職業に貴賤なしって言葉知ってる?」
「オカマの子だからオカマが好きなのか。それでオカマのゆうきといつも一緒にいるんだな」
「あんたみたいなのを女の腐ったようなやつって言うのね、初めて見た。確かに臭いわ」
「なっ!」
「ちょっと、牛乳拭いた雑巾みたいな臭いがするんですけど! なにこれ、生ゴミ臭?
分かった、これが人間のクズ臭か! ホントくっさいから教室から出てけよ、気持ち悪い。お前ら人として終わってんな。土に還れ、ゴミ!」
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