おとしどころ

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おとしどころ

 ゆうきたちが帰っていくと、パパは少しだけ話し合いの様子を教えてくれた。  田村の方はお父さんとお母さん、二人できたらしい。 「パパだけだったら丸め込まれてたわ。 みゆちゃんが怪我させられてカーッとなってたから。  でも、ゆうきママが『感情を出した方の負けです』って真顔で言うもんだから一瞬で冷静になれたの。  ゆうきママ、かっこよかったわぁ。 『篠田さんの職業があなた方の生活に何かしらの不利益を与えてるとでも言うんですか? うちの子はお宅の息子さんにいじめられて不登校になっているんですよ? こっちの方が目に見えて実害を伴ってますよね? どう責任を取るおつもりですか? みゆさんに怪我をさせたのは立派な傷害事件ですよ? この足で警察に向かいましょうか?』って一気に担架きってね。向こうのご両親もたじたじだったのよ」 パパは思い出し笑いをしながらそう言った。 「とにかく、これ以上お互いに関わり合わないってことで決着したから。みゆちゃんももう男の子に闘いを挑んだりしちゃダメよ?」 「ゆうきにちょっかい出さないなら、私から田村にからむことはないよ」 そう答えた私をまじまじと見つめ、 「みゆちゃんはなんだか最近、ゆうきママに似てきたわね。かっこいいわぁ」  そう言って、パパは私の頭をくしゃくしゃっと撫でた。
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