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「女子中学生を夜、一人で置いておくだなんて……」
パパは小さなスナックで雇われママとして働いていた。
おばあちゃんがなくなった今、私を残して夜の仕事を続けるべきか悩むパパに、ゆうきママは言ったらしい。
「だったら夜だけみゆちゃん、うちに来ればいいじゃない!お代は晩御飯でいいわよ」
交渉成立。
ゆうきママはご飯を作るのも壊滅的に下手だった。遠足の時、ゆうきと私のお弁当は今までずっとパパが作ってきた。
パパの作った美味しい晩御飯を持って、私は夜だけゆうきの家にいく。
一晩泊まって翌朝パパが帰ってくる頃私も家に戻り、朝御飯をパパと一緒に食べる。
受験期にはゆうきが私に勉強を教えてくれた。代わりに私がゆうきに夜食を作った。
こうしてお互いに助け合って私たちは地元の公立高校に揃って合格した。
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