パパはママ

家族のかたち

「別に今さら結婚って形にこだわる必要はないでしょ？　今までだって散々世の中の形なんて無視して来てるんだから」

　ゆうきママはそういって笑う。
(パパは？)
　ガバッと振り返りパパを見る｡　
パパも照れたように笑っている！

「何よ、いつからそんな話してたの？」
「え？　いつってことはないけど『子供たちが独立したら､一緒に住むのもありかもね』なんて話して盛り上がってたのよ」
「えー？そんなの聞いてない」
「あんたたちに言ったら、お互い意識しちゃうかなと思って、今までは黙っててあげたのよ」

　パパの言葉にゆうきママは付け加える。
「なにも今すぐ決めることはないわよ。あんたたちだってお互い他に好きな人ができるかも知れないんだし。
　まぁそうなったら、私とみゆパパが一緒に住むのはおかしな話なんだけども！」

「他に誰かとかないから！　みゆは俺の嫁だから！」

　ゆうきが本日最大級の爆弾を投げてきた。
顔が熱い！
自分の顔が真っ赤なのがわかる。

「まぁねぇ。ゆうちゃんじゃなかったらあたし、『お前なんかにうちの娘はやらん！』って追い返しちゃいそうだわねぇ」
そう言ってパパは優しく目を細めた。

　新しい家族のかたち……悪くないかも｡
私はゆだった頭でそんなことを考えていた。