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おはよう大作戦
「普通さ、幼馴染でなくても、
クラスメイトで向かい合わせに住んでたとしたらさ、
朝会ったら、おはよう、ぐらい言うよね普通?」
教室でのランチタイム。
やや怒り気味に言うと、
向かいに座る親友の野々原カナは自分で作ったというちょっと短足気味なタコさんウインナーをフォークでぶすりと突き刺し、私の目の前でゆらゆらと踊らせ目を細めてにやけた。
「何よ?」
「今、普通ワード、二回言ったね」
「…だから?」
「その出来事に今、花はめちゃくちゃ凹んでるって証拠」
「そりゃそうでしょ。挨拶は人の基本だよ?そんなの、小学生だって知ってるし」
「もし、村上君がクラスメイトじゃなくて、好きな
男子でもなかったら、気にならない?」
「まあねぇ~、って、好きじゃないし別に」
目を泳がせた私にカナはまたにやけている。
「そんなに挨拶して欲しかったら作戦を立てるべし」
「作戦?」
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