千の鶴を殺しても

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無意識で、男を誘惑するかのような、独特の雰囲気を持っている。 計算されていない、天然、無自覚ゆえの、男の底をくすぐる雰囲気。 俺は思わず手を伸ばし、頬に触れ、口づけた。今日はそれを許されているから。その為に来たのだから。 ただ、触れるだけのつもりだった。あまりにも自信なさげにしている姿が引っかかって、そんなことないと、言いたくて、俺は、実は、ずっと、好きだったんだと、言いたくて。
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