千の鶴を殺しても

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次々と言われるがままに入れていく。どうやらお酒が含まれているらしい。初めて見る物で、それがどんな味なのか、どんな食感なのか全く想像ができない未知のもの。 器の中は満たされ、こんもりと盛り上がった上に、仕上げのものをかけるところで背中になにか当たり手が揺れて、匙に盛られているのを溢してしまった。 またやってしまった。なんで私は失敗ばかりするのだろう。きっとまた、怒られるんだ。 頭の上から雷が落ちるかのように、罵声が飛んでくるのを覚悟して、身体を硬く身構える。
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