ラーメン汁の呪い

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 数時間前――私は、近所のショッピングモールにいた。春物の新しい服を見ようと、仕事が休みの日に合わせてやってきた。アパレルショップには、スプリングカラーのかわいい服がたくさんあり、私は、心躍った。ファッションセンスに、そこまで自信はないのだけれど、こうやって、店頭に新しい服が並べられているのを見るたび、胸がわくわくする。  昼過ぎになり、お腹が空いた私は、フードコートに来ていた。どのお店にしようか、混雑するフロアを人の合間を縫いながら、歩いていく。その中で、ラーメン屋が目に留まった。今日はこってりがっつり食べたい気分だし、ここにしよう――。並んで、注文をし、トレーに載せられた大盛りラーメンを慎重に運びながら、自分の席へと移動する。  ――そのときだった。
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