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五人が家に来てから、おじいさんもおばあさんは今までよりもさらに幸せになりました。
力桃や、知恵桃や、天桃のおかげで、農作業や生活はとても効率的で楽になりました。
おじいさんが病気の時は、いだてん桃がすぐに医者を呼んでくれました。
桃太郎はいつも笑顔で嘘を言います。ごはんがまずいときも、「美味しい」と。ごはんが足りなかった時も、「お腹がいっぱいだ」と。それはそれは楽しい嘘を言います。
一つだけ困ったことがありました。それは、みんな顔がそっくりなので、誰が誰だかわからなくなることです。
「力桃」
と呼ぶと、力桃と桃太郎がやってきます。
「知恵桃」
と呼ぶと、知恵桃と桃太郎がやってきます。
「いだてん桃」
と呼ぶと、いだてん桃と桃太郎がやってきます。
「天桃」
と呼ぶと、天桃と桃太郎がやってきます。
「桃太郎」
と呼ぶと、誰も来ませんでした。
でも大丈夫。
「おじいさんとおばあさんが大好きな人!」
と言うと、四人桃が手を上げる中で桃太郎だけは笑顔で手を上げませんでしたから。
だからみんな、誰が誰だかちゃんとわかっているのです。
そしてみんな、うそつきだけど素直な桃太郎のことが大好きでした。
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