6人が本棚に入れています
本棚に追加
桃太郎が歩いていると、犬がやって来ました。
「桃太郎さん、どこに行くの?」
桃太郎は答えません。
「桃太郎さん、きびだんごください。おともします」
「あげないよ」
桃太郎が言うと、犬は寂しそうに離れて行きました。
猿が来ても、雉が来ても、桃太郎はきびだんごをあげません。本当はあげてもよかったのだけれど、あげませんでした。
桃太郎は一人でした。でも、それでいいと思いました。
もう、誰かが死んでしまうのは嫌だったから。
最初のコメントを投稿しよう!