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「ねぇ!? 奈々未! いつからそんなことになってたの?」
里香は聞いてないよと言って、騒いでいる。自分でも今、何が起こっているのか知りたい。一気に色んなことが起こりすぎて、思考が停止してしまっている。
とりあえず、奥園だけは絶対許さない。そう思いながら奥園を睨めば、ニコニコと奈々未を見つめていた。それと共に始業のチャイムが鳴る。
「お前ら、席につけよー」
いつも通り先生が教室に入ってくる。
「お昼、屋上な?」
奥園は奈々未の耳元でそう言うと、キラキラスマイルを向ける。奈々未はその言葉を無視して、席に着いた。まだ心臓がバクバクしている。奥園の方を見ることが出来ず、窓の外を見つめた。結局、その後の授業は上の空だった。
お昼になると、奥園は言っていたように奈々未の腕を掴み、逃げるように屋上へと向かった。
「ちょっと待ってよ!」
「あのうるさいやつらが来ていいのか?」
「嫌だけど! それにしても早いよ!」
奥園のペースで走らされた奈々未は、屋上についた頃には息が上がっていた。肩で呼吸をしながら、奥園の手を振り解いた。そして、思いっきり奥園を睨みつける。
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