第4話

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「うわ! すげぇ美味い!」  奥園は奈々未を見て、幸せそうに笑う。 「これ奈々未が作ったの?」 「……そうだけど?」 「まじでうまいよ! こんな美味しい卵焼き食べたことない!」  自分が作ったものを美味しいと初めて言ってもらえた。恥ずかしくてくすぐったくて、どうしようもなかった。結局、奥園は美味しいと言いながら卵焼きを全部食べてしまった。でも、美味しいと言いながらにこにこしながら食べる奥園を見てたら、何だか怒れなかった。 「ごめん。全部卵焼き食べちゃって」 「いいよ。逆に美味しいって言って貰えて嬉しかったし」  残りのおかずを食べながら、奈々未はそう言う。 「奈々未」  そう呼ばれて奥園の方を向くと、いきなりキスされた。 「……これで許して?」  そう言うと、奥園は手を合わせている。 「こんなので許すわけないじゃない……」 「まだ足りないの?」 「そういうわけじゃないってば……」  そう言うと奥園にそのまま押し倒された。目の前には奥園の顔がある。奈々未は奥園を勢いよく突き飛ばした。 「何してんの、ここ学校だから! 本当バカじゃないの!?」 「別にこれくらいいいだろ?」  そう言って、奥園はいつものように意地悪な顔で笑っている。 「だって昨日誰かさんが不意打ちで了太って呼ぶし」 「あ、あれは……」
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