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ぼっちなセンチメンタル。
桜舞い散る季節を終え、4月下旬。
「おはよー」
「おはよう」
とある高校の、とある教室。
時刻は8時を過ぎた辺り。
ホームルーム前で、教室は生徒で溢れだしていく。
クラスに入ると仲良くなったばかりの友達に挨拶をしたり、男の子が気になる女の子に話し掛けていたり、いなかったり。
クラスのみんなは互いの顔と名前を覚え、更に親密な関係になっているのだろう。
そんな賑やかでアオハルな雰囲気に反して、私は空気だ。
教室に入っても誰にも声を掛けられず、席に着いても誰も近付いてこない。
そんな私は今日もみんなの背景の一部として存在している。
「……私だって生きてるんだけどな」
心の中で呟き、好きでもない教科書を開いて時間を潰す。
これが私の日常。
柊聖、 16歳。
これが私の名前。
名前だけはインパクトがあると思う。
2文字だし。
けど完全な名前負けで、黒髪地味子な私には誰も興味を持ってくれない。
ううん。
本当は私がいけなかったのは分かってる。
私が通う四ツ谷橋高校。
初めはこんな私に声を掛けてくれる子もいた。
いたのに……友達作りに失敗した私は現在進行形でぼっち生活を送っている。
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