プロローグ

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プロローグ

「なあ、あんた古代エルフだろ?俺に魔法教えてくれよ」  エルフが振り返り、俺を見上げる。  それからしばらく無言のまま俺を見続けていた。  あれ?言葉が通じないのかな。エルフ語とか俺知らないけど。言葉が通じないならジェスチャーで伝えるしかない。 「お前、俺に、えーっと」  俺はエルフを指差し、次に自分を指差し、魔法を教えるってどう表現すればいいんだ?って考えていると 「なぜここに子供がいる。迷子か」  やっと返事が返ってきた。 「なんだよ、言葉通じるのかよ。迷子じゃないよ。俺はラリエット教会の僧侶で、王城の警護の仕事でここにいるんだ」 「仕事?教会にいる子供は十五まで修道院で暮らすと聞いているが」 「うん、普通はね。でも俺は特別。魔法の才能があるから特別に招集されたんだ。っつっても結界が破られないか見張ってるだけだけど。それよりさ、俺もっと魔獣を倒せる魔法を覚えたいんだ。エルフのあんたなら色々知ってるだろ?教えてくれよ」 「魔法を覚えてどうする」 「家出したい。魔法で魔獣ぶっとばしたい」  それがロアと初めて会った時の会話だった。
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