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「レ、レディースエーンドジェントルメェーン! ようこそワンワン警察署の安全こふ……公園、講座へ!」  暗記した台本が完全に消し飛んだ岩崎。ここは公園ではない。 「さ、早速ですが始めていきます! み、ミュージックスタート!」  もちろん、音楽など流れない。 「さ、さぁみんな、よく聞いて! 外にはね。変態がいっぱいいるんだよ!」 「そ、そうなの……?」  警視総監が困惑の声色で呟く。 「そうですとも! 例えば……スクリーンを見てください!」  ごそごそと写真をプロジェクターにセットする岩崎。  しばしの時を経て映し出されたのは、女性用のパンツを頭に被った犬山の姿だった。  と書かれている……ピンク色の可愛らしいパンツだ。  その上、なぜか右手に(かつお)を持っている。漁にでも行ってきたのだろうか。  挙げ句、衣服を身につけていない。そのため、股間から顔を覗かせる萎びた(いわし)も、申し訳なさそうに、聴衆に頭を下げている。
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