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「うわっ……」 「本当だー! 変態だー!」 「なんと! なくしたと思っていた我輩のコレクションが……」  会場は、軽くパニックになっている。 「あっあっ……あ、あはは!」  苦笑いを浮かべる犬山。会場では、悲鳴と歓声が同じ割り合いで湧き出ている。 「なんてこった……間違えて岩崎の写真を持ってきちまった」 「やべぇやべぇ! 放送事故じゃん!」  セリフとは裏腹に、なぜか嬉しそうな小野田とスカーフ男。 「どこをどう見ても変態ですね。こういう輩を見かけたら、先程みんなに配った防犯ブザーを鳴らして逃げましょう!」  パーテーションの内側にいるため、犬山の痴態を晒しているとは露ほども思っていない岩崎。金魚のように、口をパクパクさせる犬山の傷にナイフを差し込む所業を行う。 『ピピピー! きゃー! 助けてー!』  小野田が防犯ブザーを鳴らした。音に驚いた警視総監が署長に抱きついた。人の温もりを欲していた署長も、これ幸いと思い、優しく受け入れた。
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