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 盛り上がっているのは井上さん夫妻だけとは夢にも思わない岩崎。最後の写真をプロジェクターにセットする。 「みんなー! ルックアットピクチャー!」 「ピクチャーじゃなくてデンジャーだよ……ぶふっ!」  したり顔で呟く小野田。足下では、犬山がダンゴムシのように、顔を隠しうずくまっている。 「……また署長さんか……芸がないねぇ」  スカーフ男の乾いた声に、恐る恐る顔を上げる犬山。  1秒で顔を伏せた。  スクリーンには、汚い笑顔の犬山が、スマホを片手にピースサインを決める姿が映し出されていた。  今までとは違い、ちゃんと服を着ている。公衆に晒されても問題がないように思えるが……。 「ん? スマホの画面に誰か写っているぞ?」  未知の発見をみんなに自慢したい警視総監が、大声で叫んでしまった。  それにより、犬山の奥様の醜態が、会場の皆様に把握されることとなった。 「みんな……イジメって言葉を聞いたことがあるかい?」  子供を馬鹿にし過ぎである。
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