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「よう! こんな面倒な仕事、よくやろうと思ったな?」  小走りで駆け込んできた、アフロ姿の男が嘲笑うような表情を浮かべ、岩崎の肩を叩く。  彼は刑事課の小野田。岩崎より三年先輩のお調子者だ。 「お疲れ様です。お勤めは終わったんですか?」  手に持っていた写真を、プロジェクター横の机に置く岩崎。 「サボった!」  小学生が塾をズル休みしたような口ぶりである。 「それより、これ見てみろよ!」  バスケットボール3個分はありそうなアフロヘアーから、裸のままの写真を何枚か取り出す小野田。 「とりゃー!」  岩崎が置いた写真の横に、メンコのようにそれを叩きつける小野田。 「こいつは……署長?」  小野田が持ってきた写真には、スダレハゲのおっさんが、バニーガールの格好をしたお婆さんに、コアラのように抱きついている光景が写されていた。 「爆笑ものだろ? お前も来ればよかったのに」 「行きませんよ、このご時世に飲み会なんて……しかも警察官が!」
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