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そうは言いながらも視線は写真に釘付けな岩崎。
(物凄いアホ面。生で見たかったな……)
若干、後悔の念に襲われている。
「相変わらず真面目だな……って、わわ!」
廊下に視線を向けた瞬間、笑顔から焦りの表情に早変りする小野田。
「署長が徘徊してやがる……こんな写真を持っているとバレたら、始末書だ! 俺は逃げるぜ!」
そう言い、写真を掴み取り、怪盗のように窓から飛び出す小野田。
「やぁやぁ! 準備は万端かい?」
直後、にこやかに微笑む犬山が、室内へと入ってきた。
「バ……バッチリ……です」
先程の写真が、脳裏にちらついてる岩崎。ぎこちのない返事をしながら、天井を仰ぐ。
「そう。じゃあ今から駐車場まで、警視総監を迎えに行ってくれない?」
犬山の口からとんでもない大物の名前が飛び出した。
「け、警視総監!? な、なぜ……」
ぐうたらな署員しか存在しない、こんなチンケな警察署に……という言葉は、生唾とともに飲み込んだ岩崎であった。
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