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「こうやってね、たまーに全国の警察署を抜き打ちで視察するのよ!」
スダレな頭をハンカチでふきふきしながら、得意気に口を尖らせる犬山。
「まさかこのタイミングで……緊張するなぁ……それで、なんで僕が?」
「みんな忙しいんだってさ。かくいう僕も、これからコンビニにお菓子を買ってくるし。だから頼むよー」
「そうですか……分かりました」
犬山の発言に疑問を持たない真面目な岩崎。さっき逃走した小野田のアフロを頭に浮かべながら、会議室を後にした。
――
「はぁ終わった終わった……」
スポーツカーで縦横無尽に、駐車場を走り回る警視総監をなだめ、無事に署長室へと送り届けた岩崎。
「さて、最終チェックをしようかな……って、うわーお!」
会議室の扉を開けて、目を見開き固まる岩崎。
「もう、子供達が来ちゃってるよ」
室内は、プロレスごっこや手裏剣飛ばしに熱中する子供達で、遊園地のような賑わいを見せていた。
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