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僕は自室に逃げるように帰った。
がちゃ、とドアを開けて中に入った。
ドアに背をぶつけそうになるくらいの勢いでドアに背を預けた。
「ッヴ.....グスッ.......」
途端に目から涙が溢れてきた。止まらない。
先程の父親の言葉を考えていた。僕の...僕の生きている意味はなんだろうと。
父親は跡取りとして育つために生きていると言っていた。
跡取りという立場がもしなくなったら僕は 、何故生きなければいけないのか不安になった。
不安は大きくなった。
何か自分が今跡取りの道具としてじゃなく一人の人間として生きていると考えるためにはどうすればいいだろう。
ふと周りを見渡す。ペンが固まって置いてある。カッターがある。カッター.....
身体が動く
カッターを手に取る
カッターを握る
袖をまくる
心臓の音が聞こえる
カチカチって、刃をだす音
腕に刃を当てる
.......................................
細い線が入った
赤色の線にかわっていく
血がでてきた
...ぼくはえがおになった
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