The talent blooms 2

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家に帰って、ご飯の支度をしながら、どうだったと聞いてみたら、 「どこから話したらいいかわかんないくらい、話をしてきた。なんか色々ありすぎて混乱しているけど、行ってよかったよ」 「うん、納得できる話ができた?」 「うん、まず、仕事の内容説明してもらってから、どうして依頼されたのかっていうところを知りたかったから、それを話してもらった」 「うん、それで……?」 「なんかね、昔の話になるのだけど、15年くらい前か、もうちょっと前の頃かな。……学生の頃、バンドやってて、地元のライブハウスとかで演奏していたり、ライブの前座したりしてたんだけどね。プロデューサーの人がその頃から聴いたことがあったらしくて、「flowering」聴いて思い出したって言われた。15年前のライブハウスの音源とか動画とかも持っていて、見せられたんだけど。もう恥ずかしくって死にそうだった」 「バンドの頃ってドラムやってたときの頃?」 「そうそうそう、その頃から曲は作っていたから。一応インディーズだけどアルバムも作っていて手売りしてたのだけど、そのアルバムを今日見せられてびびった。自分でも持っていないのに。 あと、音楽の話とか、今の音楽の制作状況とか、今の仕事のこととかも話した」 「うん、それでなんて言われたの?」 「それでもいいから依頼したいって言われて、後日お返事しますって言って帰ってきたのだけどね」 「もう、決めたんだね?」 「うん、受けるよ。この仕事」 と言って響さんはにっこり笑った。
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