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とある土曜日の昼下がり、ピアノの音がきこえる。
聞き覚えのあるクラッシックの曲から始まって、テレビドラマで使われていた曲や映画のサウンドトラックなどが聞こてくる。
今週もピアノレッスンが始まった。
こんな感じで1時間ほど弾いていて、そのうちにオリジナル曲に移行していく。
ヘッドフォンでメトロノームを聞きながらピアノを弾いたり、時々Recボタンを押して録音したりする。
映画音楽デビューをはたした響さんのピアノのレッスンは、今日も淡々と続いている。
ミニシアターで公開された映画は好評で、単発で公開してくれる劇場があったりしていて、何回か私たちも見に行ったりしていた。
その後、Webサイトのアクセス数は増えていろんなところから、メールやお問い合わせが来ていたようだったけど、響さんは取り立ててオファーは受ける気がないようだった。
この間のメールで連絡がきたのは、曲を作って欲しいとこのことだったらしいのだけど、速攻断ったとのこと、どうしてと聞いてみると、
「コンペだったから……時間的にもコンペには参加できないし、したくないから」
と言っていた。
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