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どうもー、地縛霊処理係っす!
ここはとある県のとある国道のとある歩道橋。この近くにウエディングドレスを着た女の幽霊もしくはおっさんの幽霊が出るらしい。
このウエディングドレスの女はライン上のシンデレラと呼ばれているほど心霊好きな人にとっては有名らしい。
俺達は地縛霊の二人をどうにかしろと命令されて、ここにやってきた。
「はー、だりいな。なんでこんなことしなきゃあかんのさ」
「しゃーねえだろ。いつまでもここを心霊スポットにするのはよくないし、神様たちが言う輪廻転生に影響でるからさ」
「でもさー、これ今まで先輩たちがやってきたけど誰もうまくいかなかったんだろ? 挙げ句の果てには新人が誰でも通る登竜門扱いになっちまってよ。正直俺達がやっても意味なくね?」
俺達は死神、迷える魂にお前はもう死んでるからとっととあの世に行きやがれと現実を教えている。迷える魂をすぐに導くのは天使の役目で、ずっとこの世にたむろしている面倒くさい魂を狩るのが俺達死神の役割。
ある意味死神は刺激ありの楽しさと、仕事のしんどさがあるブラックさというものでできている。
本当、天使が羨ましいよ。あいつらのほほんと幸せに魂と仲良くできるからさ。
「わけわかんないな。ここ、結婚式場が近くにないのにウェディングドレスの女が道路上に出るなんてさ」
「忘れてるけどおっさんもいるからな、シギ」
「おっさんはなー、交通事故で死んだやつじゃねえの? おっさんは簡単に説得に応じてくれそうだけど」
あ、自己紹介忘れたな。
俺の名前はシギで、相棒はルーカス。ルーカスはしっかりもので頼れるのよね。いつも仕事は基本ルーカスに助けてもらっている。
「シギ、依頼書ちゃんと読んでないのか? おっさんはレアキャラなんだよ? いつもいるわけじゃないから」
「あー、忘れてた。おっさんもおっさんで面倒だな」
僕たちは一応新人、これまでもそつなく仕事をこなしたのだが、誰もがやりたがらない仕事がまわってきた。
頼めるのが俺たちしかいないって上司や偉い人たち、閻魔大王まで出てきてペコペコと頭を下げてきた。
ここまでされたら断られなくなって仕方なく引き受けたというわけだ。
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