第一章 二人の男

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第一章 二人の男

私は今…病室のベッドに寝ている。 どうして? ここにいるのか? 何が?どうなって私は今、ここにいるのか? わからなかった。 ただ…わかっていたのは、 私が目を覚ますのを待っているこの二人の男のせいだという事。 「あんたが、あんなもの作るからだろ?」 童顔のくせに口が悪い、高校英語教師の悠人。 「はあ…どんなモノか、知っても何度も使っただろ?それに僕が送ったと知ってもだ。」 「…逆でも使うだろ?」 「逆?また、いつかの質問だな。頭使えよ…。」 「あんたほんとマジで、イラつく。」 「イラつくとか言うなよ、お前に教わる子供らが心配だな。」 「頭良すぎてわけのわからないモノ作るような、奴は野放しにはしない。」 「…僕の事言ってるのか?」 「頭良すぎて?って自分で思ってるのか?怖い怖い。」 「嫌みな奴だな。」 ずっと、言い合ってる。 この二人は私を心配して、ここにいるんじゃないんだろうか? そもそも私は?
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